その日、私は、一人、机に向かって、物思いに耽っていた。窓からは、暖かな日差しが差し込み、いつの間にか、私は、深い眠りに、誘い込まれてしまった。
気がつくと私は、深い森の中にある、一本の小道を歩いていた。今になると、それが夢の中の出来事だったののか、現実なのか、私にはわからない。ただ、頬を吹き抜けていく風と、むせかえるような木々の香りが、妙に生々しく、今でも、あざやかに蘇ってくるのである。
森を抜けてしばらく歩くと、芳しい香りに満ち、色とりどりの花々が、咲き競う花園にたどり着いた。その花園には、鮮やかな色をした鳥たちが、楽しそうにさえずっていた。鳥たちは、私を恐れようともせず。まるで話しかけかのように、戯れるかのように私の指や肩や頭に留まってきた。私は、なぜか満ち足りた気持ちになり、歌い出したいような衝動におそわれた。
その時、私は、人の話し声がするのに気がついた。話し声につられて、その声のする方へ歩いていくと、その方は、そこにおられた。その方は、まばゆい光に包まれていた。そのお姿を見た瞬間、私は、神かと思った。その時、いいえ、私は、神ではありませんと、そのかたは、答えられたのだ。
すると、この方は、聖霊様ですという、以前、聞き慣れた懐かしい声がした。私が、その声のした方をみるとそこには、だいぶ以前に亡くなった祖母の顔があった。祖母の周りには、たくさんの人々がおり、その中には、見慣れた顔も多くあった。その人達は、皆、優しい眼差しで私を見つめていた。私は、ひどく懐かしい気持ちがした。そして、祖母は、私を手招きすると、自分の隣に座らせた。
それから、祖母は、もう一度、神についてお聞かせ下さいとその方に話しかけた。
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