神について思う

忘  却


いざとなったら、何も語るべき言葉が見当たりません。
ただ、神とのみ向き合うだけですね。
絶望したところで、卑下したところで、喚いたところで、神には何の意味もない。
その暗闇のずっと奥底から神は、じっと私を見守っていてくれる気がするのです。
所詮、人は死ぬのです。
私が死んだところで心底悲しんでくれる人がどれほどいるのでしょう。
息子は、時間とともにどんどん私の事を忘れていき。
最後は、痕跡も残らない。
父親なんてそんなものかもしれません。
父さんとも、パパとも聞こえなくなる。
でも、それがどうしたというのです。
悲しむというよりも望むところです。
密かに自分はそう望んでいるのかもしれません。

ただ、その先に神がおられる事を信じて…。
最後には、自分と神とが一対一になる。

だから、自分に正直に今を生きるしかない気がします。
私は、人であり。
情けなくも人であり。神にはなりようもない。醜くて、不完全で不浄で。
そんな私を神は受け入れてくれる。

誰が何と思うと、どう言おうとそんなこと関係なく。
私は、私であって。
そんな純な自分に戻る事を神は望んでおられて。
そして待っていてくださる。

神は、飾らず、装わず、憤らず。

そのような神を前にしてただ泣いて泣いて泣いて。
魂を純化していくしかないのだと…。

神について何を語ろう。



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