2013年7月30日
神について思う
神は、忽然と現れたわけではない
私にとって神は忽然と現れたわけではない。徐々にその姿を現し、気がついた時には、確固たる存在となっていたのである。
私が、神を意識したのは、物理学上においてである。
相対という概念を理解する過程で、絶対と相対とを対立概念としてではなく、相互補完的概念として認識した時である。つまり、絶対的な存在を前提として相対的認識が成立する。その時に、絶対的存在というものを前提としなければならなくなった。ただ、その時点でもその絶対的存在を神に倒置する事には戸惑いがあった。
次、神を意識したのは、自己概念の確立によってである。
この自己概念は、絶対と相対の概念を確立する前提として想定されてはいた。
ただ、それが神の概念の前提とはなっていなかった。
自己とは、主体であり、主現体であり、間接的認識対象である。これが、対象の絶対性の前提である。
これから先は、経験的な認識である。
私は、経営者として会社の経営に携わってきた。その過程で、自己の弱さや矛盾と葛藤せざるを得なくなる。
自分が正しいと信じて判断した事やよかれと思ってやった事の結果が、絶望的な結果を招いたり、他者にとって不利益な結果になる事が常時発生する。
早い話、自社にとって利益になる事は、他者にとって不利益になる事である。
又、お金が関わると、結局、人間は、あからさまになる。
所詮、会社経営は、金儲けであり、結果が全てである。
どんなに真っ当で正しい事でも利益が上がらなければ潰されてしまうのである。
情け容赦無用の世界である。
言い訳は許されない。
ある意味で戦いの世界であり、弱肉強食の世界である。
食うか、食われるかの世界である。
強者には媚びへつらい、弱者には非情でなければ生き残れない。
結果が全てなのである。
又、人を評価しなければならなくもなる。
人を処罰する事もある。
助けたいと想っても助けられない事がある。
許したいと想っても、立場か、それを許さない。
これはジレンマである。
自動車を運転する人は、いつ事故を起こすか解らない。
事故を起こせば、加害者となり、場合によっては、過失と言っても人を殺してしまうことさえありうる。
過失で事故を起こした者は、心、正しきもの程、自分を責め、救いがなくなってしまう。
また、責任ある立場に立つ者が、自分の判断を過てば、多くの部下や関係者を危険な状態に追い込むこともある。
冬山登山の際、決行するか、止めるの判断を誤って、何人もの遭難者が例年である。遭難から生還したとしても、登山を決行すると判断した者は、一生、苦しまなければならなくなる。
一瞬の判断ミスが命取りになる事もある。
東日本大震災で津波に襲われた際、ある保育園の園長は、園児を親元に早く送り返そうとして、多くの園児を津波の犠牲にしてしまったという話があった。
報道関係者や親御の前で、当の園長が仕方がなかったではないかと自分で自分を許したら大騒ぎになる。園長は、一切の弁明が許されないのである。
同じような事は、東京電力にも起こっている。地震さえなければ、園長も東電の幹部も糾弾される事はなかったであろう。
結局、この様な責任者は、自分で自分を許すことは許されない。
正しいと信じて決断した事やよかれと思ってした事が絶望的な結果をもたらす事は、責任ある立場に立つものにはつきものである。そんなつもりではなかったと言っても誰も許してはくれない。責任者というのは辛いものである。
この様な責任ある立場にある者を、誰が許すというのだろうか。
この様な人達を糾弾し、罰する事のできる者はいても、許す事のできる者は、誰もいない。
許す者が誰もいないから、人は、悔い改める事ができずに、過ちを繰り返し、又、自分を正当化しようとする。
人は、自分で自分を許す事が難しい。
だからこそ、私は、神を受け入れざるをえなくなったのである。
この様な経験から私は、神の存在を信じるようになった。
同時に、神と自分とは、常に一対一の関係にあると確信した。
この世に神を代弁するものはいない。
又、神に変わる存在もない。
故に、神に変わって私を許す者はいない。
私は、神のみを信じ、崇拝する。
それが神である。
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