誰にも認められないことを怖れはしない。
 名を残したところで何になろう。
 私は、自分に与えられた使命を果たすだけである。
 誇るのならば、自分に対して誇ろう。
 天は見ている。
 天、知る。我、知る。神が知る。
 人を欺いて得た幸せなんて・・・。
 人から奪った富なんて・・・。
 人を犠牲にして得た、地位なんて・・・。
 人から横取りした栄誉なんて・・・。

 無欲だから・・・。
 とんでもない。
 欲望の塊ですよ。
 でも、欲望は空回りばかりしている。
 いつも裏切っていく。

 だから、人の目を気にして生きていくのは辞めようと思う。
 片意地を張って、
 肩を怒らせて生きていくのは疲れるだけさ。

 ただ、一人、朽ち果てようとも、怖れはしない。
 大地に埋もれようともかまわない。

 何を怖れるのかって、
 ただ一人、神のみ前に立たされた時、神を真すぐと仰げなくなることを怖れるのだ。
 神は、見ている。神は全てをご存知だ。
 誤魔化せはしない。
 天に恥じることこそ怖れよう。
 自らに誠実にいよう。

 誰も許してはくれない。
 自分さえね。
 許す者がいるとしたら、それは神のみですね。
 と言うより、神にしか許すことは出来ない。
 では、神とは何か。
 それは、あなたが良く知っているはずです。
 解らなければ、鏡を見ることですよ。

 あなたにとって神は、唯一つしか存在しない。

 寂しい。
 でも、一人ではない。
 それを信じられますか。


             

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何も怖れはしない