私は、ある日、あの方が、自分の前を歩いているのに気がついた。
 そこで、私は、あの方に尋ねたのです。
 一体、今まで、どこにいたのですか。私は、あなたを捜し回っていたというのに。
 そう言うと、あの方は、笑いながら答えられた。
 私は、いつもあなたと伴に居ましたよ。
 気がつかなかったのは、あなたですよ。
 そこで私は、あの方に抗議したのです。
 いいえ、そんなはずはありません。
 私は、いつもあなたを捜し回っていました。
 なのに、あなたはいつだって私の傍には居られなかった。
 肝心なときは、いつだって居られなかったではないですか。
 私がそう言うと、あの方は哀しそうに、私を見つめて言いました。
 見えても、見えず。
 聞いても、聞こえず。
 呼べども、聞こえず。
 私を拒絶したのは、私ではなく。あなたなのですよ。


             

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いつも伴に居られるのに・・・