人にとって一番大切なの、神の意志である。
 全知全能の神の意志である。
 真実は一つである。
 それを信じる以外にないのである。
 それは、一種の信仰である。
 全人類の救済である。

 本来、ありとあらゆる契約とは、その人自身とその人が信仰する神との間で為される行為である。
 神と人との間の行為であり、
 人と人との間で為される行為ではない。
 故に、契約に背く事は、神を欺く事である。
 人は、相手を信じるのではなく。相手の信仰心を信じるのである。

 ありとあらゆる善は、その人とその人が信仰する神との間の取り決めである。
 人と人とのとの決めではない。
 また、自分一人の思い込みでもない。
 故に、道徳に反することは、神に対する裏切りである。
 人を信じるのではなく。人の信仰心を信じるのである。

 ありとあらゆる宣言は、自らが自らの神にするものである。
 人に向かって宣言するのではない。
 自らの神に向かって宣言するのだ。
 だから、宣言を違えることは、神への忠誠を違えることだ。

 ありとあらゆる誓いは、自らと自らの神にたいしてする誓いである。
 人に向かって誓うわけではない。
 だから、誓いを破ることは、相手との誓いを破ることではない。
 神との誓いを破ることなのだ。

 ありとあらゆる祈りは、自らが自らの神に捧げるものである。
 人の為に祈るのではない。自分の為に祈るのである。

 ありとあらゆる約束は、自らと自らの神に対する約束である。
 約束を破ることは、神との約束を破ることである。

 人は騙せても、自分は騙せない。
 自分は欺けて、神を欺く事はできない。

 人は皆、最後には、ただ一人、裸で神の前に立たされるのだ。





             

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